看護部長 谷口由美子
当院は地域密着型の病院として基幹病院や地域の関連施設と連携し、地域医療の一端を担っています。
看護部は「患者さんの人権を尊重し、思いやりのある看護を提供します」を理念とし最善のケアを心がけています。当院では慢性期の高齢患者さんが多く意思疎通が困難な患者さんもいらっしゃるため、これまでの人生で培ってきた経験や考え方を尊重すること、患者さんの立場に立って考えること、ご家族とのコミュニケーションを特に大切にしています。このような看護を実践するため、院内教育の充実を図ると共に医療チームの一員として院内外の多職種と連携、協働しています。職員は他施設での看護経験がある者も多く、自身のライフステージに合わせた生活の中で、それまでの経験を活かし当院でできる看護をいきいきと実践しています。このような職員を含め、数多くある病院の中から当院を選んでくれた職員を大切にし、支えることが私の役割の一つでもあります。職員がワークライフバランスを実現させ、やりがいを持ちながら働き続けることができるよう個々の成長支援と働きやすい職場づくりを推進します。
急速な高齢化や地域包括ケアシステムの構築が進み、医療や看護を取り巻く環境が変化していることから、地域密着型の病院として当院が果たすべき役割はますます大きくなります。地域とのつながりを強化し安心して生活や療養ができるよう、その役割を果たしていきたいと思います。
患者さんの人権を尊重し思いやりのある看護を実践します。
1.個々の患者・家族に応じた看護を実践できる能力を育成する
2.各自が看護能力を高めるために自主的な学習展開ができるよう支援する
3.医療チームにおける看護チームと自己の役割を理解し遂行できる能力を育成する
4.豊かな人間性を育成する
1.人としての尊厳を大切にし、患者・患者を取り巻く人に寄り添うことができる
2.医療チームの一員として多職種と協力連携できる
3.専門職業人として自己研鑽できる
外来には1日平均200名以上の患者さんが受診されます。地域の方が安心して診察や検査、治療が受けられるよう、院内外の多職種や施設と連携を図っています。外来では患者さんと接する時間は短いですが、看護の視点とコミュニケーションを大切にしております。また、当院には黒川地区で唯一の糖尿病専門外来があり、糖尿病患者さんに対してセルフケア支援をおこなっています。内科への通院困難な患者さんにおいては、定期的な訪問診療も始めることになりました。
透析室はベッド数20床、2部体制で外来透析患者と入院透析患者の治療を行っています。外来透析患者さんにはできるだけ日常生活を維持しながら透析治療を行ってもらえるように多職種と連携しセルフケア支援を行っています。
入院患者さんには病棟看護職員と連携し、継続したケアを提供しています。
患者さんに安全な透析治療を提供できるように定期的な勉強会を行い、スタッフ全員で知識・技術の向上に努めています。
スタッフは子育て世代、親の介護世代と様々ですが仕事と私生活の両立ができるよう協力し合える職場です。
3階病棟(一般病棟 多職種と連携したカンファレンスを活発に行っています
3階病棟では急性期から慢性期の様々な診療科の患者さんを受け入れています。
療養目的で入院される患者さんは療養病棟への転棟までの間一時的に3階病棟で状態観察を行います。
入院後は患者さんが安心して退院できるよう、早期から患者さんと家族の思いを大切にした退院支援カンファレンスを行っています。
多職種と連携を取りながらスタッフ一人一人がお互いに助け合い、笑顔があふれる病棟です。
4階病棟(療養病棟) 多職種と連携したケアに力を入れています
4階病棟は透析科、内科の療養患者さんを受け入れている病棟です。透析科の患者さんは入院生活を送りながら透析治療を行っています。安全に苦痛を最小限に透析治療を受けてもらうことを目指し、バスキュラーアクセスの管理、食事・水分管理、ADL低下の予防等、患者さんに合わせたケアが提供出来るよう多職種カンファレンスを行っています。また、透析患者さんに多い末梢動脈疾患による足病変の早期発見、悪化予防ができるよう、透析室・皮膚排泄ケア認定看護師と連携しフットケアに取り組んでいます。
内科の患者さんには安全に入院生活が送れるよう、患者・家族とのコミュニケーションを大切にしています。また、多くの患者さんが点滴から食事を食べることへ移行出来るよう、医師・言語聴覚士と連携し嚥下機能評価、摂食嚥下リハビリに取り組んでいます。
病棟では看護職員、看護補助者がチームとなり患者さんを担当しています。
チームワークを大切にし、働きやすい環境作りを心掛けています。
5階病棟(療養病棟) 観察の目、細やかな手、誠実な耳
5階病棟は急性期治療を終え、その後も長期的に療養が必要な患者さんが入院している病棟です。
患者さんの大半は高齢でベッド上での生活をしています。また意思疎通が困難な患者さんもいらっしゃいます。
だからこそ、私たち病棟職員が大切にしていることがあります。
患者さんの小さな変化に気付ける観察の目
その患者さんに必要なケアを行う細やかな手
そして、患者さんやご家族の意向をお伺いする誠実な耳
一人ひとりの患者さんと向き合い、多職種と連携しながら、その患者さんにとって何がベストなのかを日々考え、看護・介護を展開し実践しています。
当院では看護職員の負担軽減及び処遇改善のため、下記の項目について取り組みを行っております。
時間外労働が発生しないような業務量の調整
11時間以上の勤務間隔の確保
早出・遅出などの柔軟な勤務体制の工夫
薬剤師・リハビリ職種(理学療法士・言語聴覚士)
放射線技師・事務員
看護補助者の夜間配置
みなし看護補助者を除いた看護補助者比率5割以上
夜間の免除制度
休日勤務の制限制度
半日、時間単位休暇制度
所定労働時間の短縮
他部署等への配置転換
夜勤従事者の倍増
月の夜勤回数の上限設定
勤務後の歴日の休日の確保
仮眠2時間含む休憩時間の確保